今回は、阪急交通社 国際旅行営業本部 国際営業部 国際仕入手配課の清水様にインタビューを行いました。訪日旅行事業を中心に、欧米豪をメインターゲットとしたオーダーメイドツアーの手配から営業、仕入れまでを一貫して行う部署で活躍されている清水様に、その具体的な業務内容や働き方についてお伺いしました。また、海外エージェントとの関係構築を通じた事業拡大の展望や、育児休業制度など働きやすい職場環境についても深く掘り下げています。
さらに、訪日旅行における手配の課題ややりがい、どのような人材がこの業界で活躍できるかといったポイントについても伺いました。旅行業界に興味がある方、特に訪日旅行事業に携わりたい方にとって、非常に参考になる内容が詰まっています。ぜひ続きをご覧ください。
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お客様の平均滞在日数は10日~14日間!?阪急交通社の訪日旅行事業を徹底解剖!!
ー レジャリスト 大南
本日は阪急交通社 国際旅行営業本部 国際営業部 国際仕入手配課 仕入開発係長の清水様にお越しいただきました。お時間をいただき、ありがとうございます。
ー 阪急交通社 清水さん
よろしくお願いいたします。
ー レジャリスト 大南
念願かなって阪急交通社さんの訪日旅行についてお話を伺えるということで、本日はとても楽しみにしていました。ありがとうございます。
先ほど少しお話を伺いましたが、現在の勤務が7年目とのことですね。その前はどちらにいらっしゃったのでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
前職も旅行会社に勤めておりまして、アウトバウンド、つまり海外旅行を担当しておりました。
ー レジャリスト 大南
以前は海外旅行の手配をされていて、転職してインバウンドに移られたのですね。
ー 阪急交通社 清水さん
はい、現在は訪日旅行、つまりインバウンド事業を担当しています。
ー レジャリスト 大南
海外旅行と訪日旅行、両方の視点をお持ちで事業に携わられているということですね。
ー 阪急交通社 清水さん
そうですね、両方の経験が活かされています。
ー レジャリスト 大南
では、早速ですが阪急交通社の訪日旅行事業について詳しく教えていただけますか?
ー 阪急交通社 清水さん
私たち国際営業部には、「国際営業一課」「二課」、そして「国際仕入手配課」という3つの課があり、営業から手配までをワンストップで行っています。個人・団体を問わず、海外のお客様のニーズに応じた提案を行い、ホテルやレストラン、バス、新幹線などの交通機関、観光施設、体験型のアクティビティなどを手配しています。いわば、海外のお客様の日本での旅をトータルコーディネートする部署です。
主なマーケットは欧米豪で、特にドイツ、フランス、イタリア、スペイン、スイス、オランダ、ベルギーなどが中心です。また、旅行の形態としては観光・レジャーが主流ですが、最近ではカナダやアメリカからの修学旅行や、イギリスから大型クルーズで訪日されるお客様のツアーも増えてきています。
ー レジャリスト 大南
ありがとうございます。訪日旅行事業は、いわゆるオーダーメイド型の受注がメインなのでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
その通りです。現地の旅行会社やパートナーから依頼を受け、それに応じたオーダーメイドのツアーを作成しています。
ー レジャリスト 大南
具体的には、御社のロンドン、バルセロナ、マドリード、ローマといった拠点や、その他のパートナー会社から「こんなツアーを作りたい」というリクエストが届く形でしょうか?例えば「パリの富裕層マダム10人組」向けのツアーといった依頼もあるのでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
そのような少人数の富裕層向けツアーもございます。また、美食をテーマにしたツアーも人気があります。例えば、現地の有名インフルエンサーを招待して募集をかけたツアーに参加したお客様を対象に、日本の有名レストランを手配し、特別な体験を提供するようなツアーも手掛けています。
ー レジャリスト 大南
そのようなリクエストは最初に営業の方々が受け付け、その後清水さんの仕入れチームに依頼が届く流れでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
営業が現地からの依頼を整理し、仕入れチームに依頼が届きます。例えば、10日~14日間のツアーの場合、まずホテル仕入れチームが全ての宿泊を確保し、それを営業に共有します。その情報をもとに営業が行程を組み、最終的に現地エージェントに提案する流れです。
ー レジャリスト 大南
欧米豪のお客様の平均滞在日数はどのくらいでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
平均的には10日~14日間です。中には3週間滞在されるツアーもございます。ただ、3週間のツアーは「シリーズツアー」と呼ばれるもので、すべての日程がびっしり詰まっているわけではありません。ポーションポーションで必要な手配を行う形です。そのため、全てが詰まったツアーというのは現状では少ないですね。
ー レジャリスト 大南
国内旅行や海外旅行と比べた際の、訪日旅行の企画・手配のポイントや違いはどのような点にありますか?
ー 阪急交通社 清水さん
訪日旅行の大きな特徴は、滞在日数が長いことです。特に10日~14日間のツアーが主流で、日本を横断するような「ゴールデンルート」の行程が基本です。東京から箱根、高山、白川郷、金沢、京都、広島を巡り、大阪で旅を終えるという形です。そのため、手配する項目や内容が非常に濃くなり、国内旅行やアウトバウンド旅行とは異なる点だと感じています。
また、もう一つの課題は、食事制限を持つお客様への対応です。最近ではビーガンやベジタリアンのお客様が増えており、動物性食品を避ける方も多いです。例えば出汁に動物性のものを使えない場合には、植物性の海藻や野菜を用いる必要があります。しかし、対応できるレストランが限られており、調整に苦労することもあります。
ー レジャリスト 大南
訪日旅行の手配で活かせるスキルとしては、やはり語学力が重要でしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
そうですね、英語ができると海外エージェントとのやり取りがスムーズです。ただし、私自身は英語を話すのは得意ではありませんが、日本の地理や観光地についての知識を活かし、補っています。そのため、必ずしも語学力が必須というわけではありません。
ー レジャリスト 大南
語学力がなくても、観光地や旅行に関心があれば十分チャレンジできるということですね。
ー 阪急交通社 清水さん
その通りです。入社後に学びながら成長できる環境ですので、語学に自信がない方でもぜひ挑戦していただきたいです。
時差がもたらす影響!?訪日旅行事業の1日のスケジュールに迫る。
ー レジャリスト 大南
清水さんの1日の業務スケジュールについて教えていただけますか?
ー 阪急交通社 清水さん
まず営業の方の流れから説明します。営業は、前日に海外エージェントから届いたメールを朝一番で確認し、その内容をTo-Doリストに落とし込み、チーム内で共有します。その中で手配が必要な案件については、仕入れや手配チームに依頼を投げます。そして、その回答をもとに見積書を作成し、海外エージェントに提出するというのが営業の1日の大まかな流れです。
私が所属する仕入れチームでは、営業から届いた依頼メールや、日々やり取りをしている施設や業者からの回答メールをチェックします。その内容をチーム内で共有し、ホテル・レストラン・バスの3つのチームに振り分けて、それぞれの担当者が順次進めていく形になります。
手配が完了したものは、弊社独自の国際システムに登録し、営業に回答を返します。もし手配できなかった場合は、営業と代案を一緒に考えながら、必要な手配が取れるまで調整を続ける流れです。
ー レジャリスト 大南
海外エージェントが相手ですと、時差の影響で朝に大量のメールが届いていることもありそうですね。
ー 阪急交通社 清水さん
まさにその通りです。営業の方からも「朝行くのが怖い」という声を聞くことがあります。例えば、アジア地域のエージェントだと時差があまりないので、どうしてもリアルタイムで電話がかかってきて対応せざるを得ない場合もあるようです。
一方で、欧米のエージェントの場合、時差を利用して前日のうちに依頼を投げておけば、その間に時間的な余裕が生まれるという利点もあります。ただ、その反動で翌朝に「えっ!?こんなにたくさん!」という量のメールが来ていることも少なくないようです。
ー レジャリスト 大南
今現在、欧米豪を主な対象として訪日旅行を展開されていますが、今後、さらにターゲットを広げる計画はあるのでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
現状では、コロナ禍を経てようやく復活してきたというタイミングですので、まずは元々お付き合いのあるエージェントとの取引を拡大していくことが最優先です。
そのうえで、特に力を入れたいのがイギリス市場です。ヨーロッパ全体ではイギリスからの訪日旅行客が最も多いと言われていますが、弊社での取り扱いはそれほど多くはない状況です。せっかく現地法人があるので、それを活用しながら取りこぼしのないよう、イギリスのお客様を積極的に取り込んでいきたいと考えています。
実際に、大型案件やクルーズ案件の依頼も増えてきており、これらを通じてイギリス市場でのシェアを拡大していく動きになっています。
ー レジャリスト 大南
訪日旅行を担当されているということで、海外旅行が好きな方から「海外に行く機会はあるのか?」といった質問がよく寄せられます。私のイメージでは、訪日事業は日本を売り込む仕事なので、あまり海外に行くチャンスが少ないように感じるのですが、実際はいかがでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
そうですね。いくつか細かいルールがありまして、例えば「何年在籍している必要がある」などの条件が設定されている場合もありますが、海外出張の機会はございます。具体的には、先輩社員と一緒に海外出張に行き、年間で何回か開催される旅行博に参加します。その際、2~3週間程度の期間で現地のエージェントを回り、関係性を築いていくという形で海外に行くチャンスがあります。
ー レジャリスト 大南
旅行博に参加しつつ、現地での商談を行うということですね?
ー 阪急交通社 清水さん
その通りです。それぞれ担当する国や地域の旅行博に分担して参加し、現地のエージェントとの関係を深めることが目的です。
ー レジャリスト 大南
それは素晴らしいですね。旅行好きな方にとっては夢のあるお話だと思います。
パパ育休を実際に取得!?阪急交通社の整った職場環境とは
ー レジャリスト 大南
少し話題を変えて、職場環境について伺いたいと思います。働き方や職場の雰囲気はどのような感じでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
当社は女性が多い職場で、スタッフの人数も増加しています。現在オフィスには約80名が在籍しており、非常に活気のある環境です。
働き方に関しては、週1回のリモートワークが認められています。また、体調や状況に応じて、週2~3回リモートワークを取り入れている方もいらっしゃいます。さらに、フレックスタイム制も導入されており、コアタイムの11時~16時の間に業務を行えば良いので、出勤時間を調整することが可能です。例えば、遅くても11時出社で、19時40分には退社できるような柔軟性があります。そのため、通勤ラッシュを避けることができ、ストレスが少ない働き方が実現できています。
休暇も比較的取りやすい環境ですので、非常に良い職場環境だと感じています。
ー レジャリスト 大南
そういった制度が整っているのは素晴らしいですね。清水さんご自身も「パパ育休」を取られたと伺いましたが、どのような形で取得されたのでしょうか?
ー 阪急交通社 清水さん
私は2回に分けて育休を取得しました。1回目は子どもが生まれてから約3カ月後の5月に取得し、その期間中に妻の里帰りを終え、家に迎え入れてから2週間ほど一緒に過ごしました。2回目は8月のお盆の時期に2週間取得しました。このように、会社が育休を取りやすい環境を提供してくれていることには非常に感謝しています。
ー レジャリスト 大南
ありがとうございます。休暇が取りやすいと多くの方が言いますが、実際に育休を取得された例を聞くと、非常に前向きな職場環境であると感じます。紹介する側としても、とても心強い材料になります。
ー 阪急交通社 清水さん
ありがとうございます。働きやすい環境が整っているので、非常に助かっております。
ー レジャリスト 大南
清水さんの職場では、どのような人材が活躍されていますか?また、どのような人材を求めていますか?
ー 阪急交通社 清水さん
活躍する人材についてお話しますと、営業職ではやはり語学が堪能な方が多く活躍しています。海外出張は年に2回ほどあり、現地のエージェントとの関係性を構築するための商談や打ち合わせに参加します。また、エージェント担当者が日本に来られた際にはツアーリーダーとして同行し、アテンド業務を行います。こういった業務では、ニュアンスを含めてしっかりと意図を伝える必要があるため、語学力が重要になります。
ただ、それ以上に私が大切だと思うのはコミュニケーション能力です。これは対社内、対社外を問わず非常に重要です。コミュニケーションを円滑に取れる方は、仕事を覚えるスピードも早いですし、チーム内でのやり取りもスムーズです。一方で、分からないことをなかなか聞けない方だと、問題が解決せずに成長のスピードが遅れることもあります。そういった意味で、コミュニケーションに壁を感じない方、スムーズに相談や意見交換ができる方を求めています。
ー レジャリスト 大南
コミュニケーション能力は、確かに最も重要でありながら、最も難しいテーマですよね。履歴書や職務経歴書で「コミュニケーション能力がある」と記載していても、実際にやってみないと分からない部分も多いです。
ー 阪急交通社 清水さん
その通りです。そして、コミュニケーション力は、お客様のニーズを汲み取る力とも密接に関係しています。細かい部分にまで目が届く聞き上手な方は、満足度の高いツアーを作れる傾向があります。また、相手への思いやりも非常に重要だと考えています。
例えば、社内のスタッフや提携先の施設の方々への態度が粗雑になると、それまで築いてきた信頼関係が崩れることもあります。相手を思いやる気持ちを持ち、配慮を欠かさない方が、当社では特に求められる人物像です。
ー レジャリスト 大南
思いやりや心配りが大切という点、とても共感しますね。実際、旅行業界の仕事に向いている方は、そういった配慮が自然にできる方なのかもしれません。
ー 阪急交通社 清水さん
おっしゃる通りです。父の日や母の日に毎年プレゼントを贈るなど、家族への気遣いができるような方も、旅行業に向いていると思います。そういった小さな気配りやサプライズを楽しめる方が、当社のような仕事では特に活躍できるのではないでしょうか。
ー レジャリスト 大南
素晴らしいですね。こういった人間性をしっかり評価し、それを活かせる環境があるというのは、求職者にとっても非常に前向きなポイントになると思います。本日は、たくさんの具体的なお話をありがとうございました。
ー 阪急交通社 清水さん
こちらこそ、ありがとうございました。
ー レジャリスト 大南
最後に、この動画をご覧いただいている求職者の方々へ、仕事のやりがいやメッセージをお願いできますか?
ー 阪急交通社 清水さん
弊社で取り扱うツアーのほとんどがオーダーメイドとなるため、お客様のリクエストに応じて、追加や変更が多く発生します。時には無理難題を言われたり、ツアー直前まで内容が固まらないこともあります。ツアー到着前から苦労することも多いですが、それでもチームスタッフ全員で作り上げたツアーが無事に催行され、お客様からの帰国後のアンケートで高評価をいただいた時や、同行されている通訳案内士の方から「お客様が楽しそうにしている姿」の写真が送られてきた時には、本当に頑張って良かったと感じます。
そうした瞬間が自分の自信に繋がり、「次回はあれをやってみよう」「これを工夫してみよう」といったモチベーションになっています。そのため、お客様が喜ぶことを全力で考えられる方、そしてチームでの仕事を楽しめる方に、ぜひ国際営業部に来ていただきたいと思います。皆様のご応募をお待ちしております。よろしくお願いします。
ー レジャリスト 大南
熱いメッセージ、ありがとうございます。本当にそうですね。お客様の感想や喜んでいる様子を直接見ることができるのは、この仕事や旅行業に携わる醍醐味だと思います。また、阪急交通社というブランド力や、国内仕入れの強みを活かし、海外のお客様に日本の魅力を広められるというのは、非常にやりがいのある仕事だと改めて感じました。
本日は阪急交通社でインバウンド事業をご担当されている清水さんにお話を伺いました。お忙しい中、本当にありがとうございました。
ー 阪急交通社 清水さん
こちらこそ、ありがとうございました。
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